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パイプとは

パイプとは? 用途や種類をご紹介します

 

 

私たちの身近にあるパイプといえば、各家庭にあるガス配管や水道配管などが思い浮かびますが、工業の世界においては、化学プラントなどの配管設備、自動車のドライブシャフトや産業機械のシリンダーなど、パイプというのは無くてはならない大事な部材・部品です。

そこで今回は「パイプとは何か?」という基本的な知識から、パイプの用途、種類などをご紹介していきます。

 

 

パイプってなに?

 

パイプとは、主に液体や空気といった流体を輸送するための管(円筒の内部が空洞で筒状のもの)です。

 

似た機能を持つホースとは違い、金属製で硬質な事が多く、常設的(設備や構造として設置すること)に利用されているものが「パイプ」と表現される事が一般的です。
一部でチューブとも呼ばれ、日本では明確な使い分けはありませんが、海外では内径の呼び径と呼ばれるもので寸法を区分けするものをパイプ、実寸の外径で区分けしているものをチューブと呼びます。

 

設備・構造用以外にも、楽器用などさまざまな用途があり、ボイラや熱交換器で用いられる熱伝達用、油田やガス田の掘削に用いる油井管などがあります。

 

 

パイプの用途

 

設備・構造用に使用されるパイプを目的別に種類分けすれば、以下のような配管に分類されます。

 

 

  • 気体配管

蒸気配管、冷媒配管、特殊ガス配管、燃料ガス配管、空気配管などの気体を輸送する目的のパイプです。

 

  • 液体配管

水配管、油配管、ガソリン配管などの液体を輸送する目的のパイプです。

 

  • 配線保護配管

ケーブル配管、電線配管などの配線の保護を目的としたパイプです。

 

 

 

製造方法からみるパイプの種類

 

パイプの製造方法は主に三種類に分かれます。

 

 

  • 電縫管(電気抵抗溶接鋼管)

鋼板を管状に丸め、その継ぎ目を縫うように溶接して製造します。薄肉パイプの大量生産に適しています。

 

  • シームレス管

溶接などによる継ぎ目(シーム)が無いパイプで、内圧やねじれに強く高強度です。

 

  • セミシームレス管

電縫管を引き抜き加工などで継ぎ目を目立たなくしたパイプです。外径、内径の寸法精度が非常に高いものに仕上がります。

 

 

 

電縫管(電気抵抗溶接鋼管)とは?

 

電縫管(でんぽうかん)とは、電気抵抗溶接鋼管とも呼ばれ、縫合せ溶接と呼ばれる溶接法を使用して製造した鋼管のことです

 

電縫管の製造は、常温の鋼帯(コイル)を連続的に引き出しながら円形に成形し、シーム部(管の継ぎ目となる部分)を電気抵抗溶接によって溶接接合してパイプに成形します。

 

 

鋼帯から作製するため、薄肉パイプの製造に最適で、シーム部以外は加熱を行わないため表面性状(表面粗さ)がよく、押出パイプに必ず発生する、管の同一断面の肉厚が非均一となる「偏肉」が皆無になるパイプの製造が可能です。

 

電縫鋼管のシーム部は、電気抵抗溶接による溶接ビード(溶接により表面や裏面に盛り上がる溶接金属)の発生が避けられない為、強度を懸念されますが、押出パイプとの比較試験の検証結果では、脆弱性の心配はないというデータが得られています。

 

鋼管サイズとしては、比較的小径の配管から中径配管まで製造が可能であり、生産性の高い製造方法です。

 

 

 

シームレス管とは?

 

シームレス管とは、パイプの長手方向に溶接や鍛接による継手(シーム)がない鋼管のことを差し、継目がない配管なので継目無鋼管とも言われます。

 

代表的な製造方法はマンネスマン法といい、丸棒形状の金属塊(ビレット)を高温に加熱し、外周より圧縮しながらその中心をプラグという工具を押しあててビレットに穴を開けパイプ状に成形します。

 

 

シームレス管は、比較的小ロット品の製造に適した製造方法で、材質は炭素鋼鋼管からステンレス鋼鋼管まで幅広い鋼種のパイプを製造することができます。

 

先述した通り溶接部が無い為、パイプの全周にわたって均質性があり、パイプの全ての部分において同一の剛性が得られるので、内圧やねじれに強いという長所があります。また、圧延により製造されるので溶接管では製造が難しい厚肉管の製造が比較的容易であることも長所の一つです。

 

反面、製造方法上、高い寸法精度が得られ難く、パイプの素材となる金属塊を高温のまま過酷な圧延加工を施す関係上、パイプの表面性状(表面粗さ)もあまり良くありません。その為、必要に応じて冷間伸管などを行い、寸法精度や表面性状、強度を高めなければなりません。

 

 

 

セミシームレス管とは?

 

セミシームレス管とは、鋼板を円筒状に加工し溶接した後に、冷間引抜き加工を行って製造するパイプです。上記で説明した溶接パイプと同じですが、引抜き加工をすることで溶接ビード(溶接の痕)が目立たないパイプになります。

 

比較的小ロット生産向きで、柔軟な寸法設定が可能です。また、引張強さ、伸び、硬さなどの機械的性質を得ることができます。

 

製造方法は、ダイス(金型)の穴に溶接パイプを通し、引き抜くことで元のサイズより細く、伸ばしながら加工します。更に引き抜く際に、パイプの内側にプラグ(芯金)を入れることで、内径・肉厚の調節が可能になり、外径・内径の寸法精度が良好なパイプが作製できます。

 

 

電縫管・シームレス管・セミシームレス管の比較

 

それぞれの違いをまとめると以下のようになります。

 

 

 

 

以上、パイプの用途や種類についてお伝えしてきましたが、いかがだったでしょうか?

この記事を通して、パイプや配管に対して疑問がある方への、解決や発見に繋がれば幸いです。

 

 

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