2025年大阪・関西万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」に共鳴し、「Team MOC-TEX（チームモックテックス）」は、森から生まれた新素材「MOC-TEX」の可能性を多角的に探求しています。
このプロジェクトの一環として、未来を担うクリエイターの育成を目指し、上田安子服飾専門学校にて115名もの学生に応募いただき、「MOC-TEX製ジャンパー（モクジャン）」のコンテストを開催しました。自由な発想でデザインした一次審査（デザイン画）、二次審査（最終作品）を経て、金賞1名、銀賞2名、奨励賞2名の計5名が選出されました。

このコンテストは、木粉を配合し、本革のような見た目と質感、そして木の温もりを感じさせるMOC-TEXが、従来の木材では難しかったファッション分野で、いかに革新的な表現を可能にするかを探るものです。学生たちは、MOC-TEXが持つ柔軟性、カスタマイズ可能な色、光沢、シボ、さらには型押しや多様なプリント技術（インクジェットDTF/DTG、箔押し）を最大限に活かし、既成概念にとらわれないデザインに挑戦しました。

クリエイティブな挑戦：デザインから完成までの道のり
コンテストでは、まず学生たちがMOC-TEXという全く新しい素材の特性について深く学びました。国内の未利用森林資源を有効活用し、バイオマス度最大80%を実現したMOC-TEXは、サステナブルな社会に貢献するだけでなく、吸放湿性や消臭性、使い込むほどに味わいが増すエイジング（経年変化）といった独自の機能性も持ち合わせています。これらの素材の魅力をいかにデザインに落とし込むか、学生たちは試行錯誤を重ねました。
デザイン画の提案、素材選び（顔料着色品や木材色品などMOC-TEXのバリエーションから選択）、そしてパターンの作成から実際の縫製に至るまで、学生たちはMOC-TEXという新素材と真摯に向き合いました。この制作過程は、ファッションの未来を模索する情熱と、新素材への深い理解が融合した、まさに共創の物語です。

【受賞作品】－未来のファッションを彩る、学生たちの力作－（モデル着用）

• 金賞：河野　綺音（コウノ アヤネ）さん

ご本人コメント：デザイン画を描く時にMOC-TEXの実物サンプルを拝見しましたが、木から出来たとは思えない肌触りや質感に｢こんな素材を木から作ることができるんだ｣と驚きました。
デザインが選ばれモクジャンの制作が決まり、ジャンパーやパンツを制作しましたが、レザーのようなしっかりとした厚みの生地を扱うのは初めてだったので綺麗な仕上がりにするのが難しかったのですが、ツルツルした表面によりプリントの転写がやりやすかったり染色で色が綺麗に発色する点など、自由度も高く様々なデザインの衣装を作る際に素材の特性を活かしてさらに良い作品を創れるのではないか、とMOC-TEXの可能性を強く感じました。作品作りを通し貴重な体験をさせていただけて本当に楽しかったです。

• 銀賞：山川　春奈（ヤマカワ ハルナ）さん

ご本人コメント：時間とともに風合いが変化するエイジングの特性を知り、子どもの成長や思い出と重ね合わせられる点に、他の素材にはない大きな魅力と面白さを感じ、今回のデザインに活かしました。
木を素材として扱うのは初めてでしたが、実際に触れると想像以上に木の質感とぬくもりがあり、布では表現できない新しい可能性を感じました。
特にハリのある性質は扱いが難しい部分もありましたが、その特性のおかげでシルエットに張りをもたせ、袖の立体感をデザイン画通りに表現することができました。
制作を通して、素材の特性を活かすデザインの面白さと、MOC-TEXならではの価値を改めて実感しました。]

・銀賞：山田　心春（ヤマダ コハル）さん

ご本人コメント：MOC-TEXは、独特のハリとしなやかさを併せ持つ素材で、手にした瞬間から奥行きのある質感に惹かれました。
制作の過程では、ステッチをかけてみたら意外とハリが出て、思い描いたシルエットに落とし込むことが難しく扱いに苦労しました。
しかし、柔らかなニットとドッキングさせることでMOC-TEXそのものが持つ美しさを引き立たせることができたと思います。
華美ではないですが、上品な美しさを持つMOC-TEXは、作品に奥深さを加えてくれたと思います。
制作を通して、その可能性と魅力を改めて実感しました。

奨励賞：藤岡　春希（フジオカ ハルキ）さん

奨励賞：松田　一花（マツダ イチカ）さん

授賞者の皆さまならびに関係者の皆さま、誠にありがとうございました!

大阪・関西万博「TEAM EXPOパビリオン」で実物を展示！
これらのMOC-TEX製ジャンパーの金賞・銀賞受賞作品は、2025年9月22日（月）から28日（日）まで、大阪・関西万博内のフューチャーライフヴィレッジ「TEAM EXPOパビリオン」にてお披露目されました。来場された皆さまには、学生たちの創造性あふれる作品を通して、MOC-TEXが描くファッションの新たな可能性を体感していただきました。

その様子は過去の記事【森をまとい未来を生きる】大阪・関西万博本番!!をご覧ください!

共創で未来を創造する「Team MOC-TEX」
「Team MOC-TEX」は、サンノプコ株式会社の素材開発力、上田安子服飾専門学校のクリエイティブな発想と加工技術、そしてケィ・マック株式会社の企画・連携力という、それぞれの強みを持ち寄り、新素材の可能性を追求しています。
私たち「Team MOC-TEX」では、この革新的なMOC-TEXと共に、新たな価値を創造する共創パートナーを募集しています。ご興味をお持ちの企業、クリエイターの皆さまからのお問い合わせをお待ちしております。